クレアチンキナーゼ(CK)

検査の目的

血清又は血漿中のクレアチンキナーゼ(CK)の測定を目的とする。
骨格筋、心筋、脳、平滑筋などの障害をきたしている可能性のある場合にその状態・疾患の診断には重要である。

検査に用いられる手順の原理及び測定法

測定法:JSCC標準化対応法
血清または血漿中のCK(CreatineKinase、Creatine Phosphokinase)活性を測定する。
検体中のCKはクレアチンリン酸を基質としてクレアチンを生成すると同時にアデノシン-5’-二リン酸(ADP)をアデノシン-5’-三リン酸(ATP)に変化させる。グルコースと生成したATPはヘキソキナーゼ(HK)の作用により、グルコース-6-リン酸とADPに変化する。このグルコース-6-リン酸はグルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PDH)の作用により6-ホスホグルコン酸に変化し、同時に酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP+)は還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)に変化する。NADPHは340nmに極大吸収を持つ為、この吸光度の増加速度を測定し、CKの活性値を求める。
この測定法はJSCC常用基準法と比例互換性を有しており、JSCC標準化に対応している。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

62~287U/L

警戒値/緊急異常値、異常時報告値

3000U/L以上は電話連絡を行う。
警戒値/緊急異常値、異常時報告値は電話で連絡したことを「異常値チェックリスト」に記録する。

臨床的解釈

クレアチンキナーゼは心筋と骨格筋の障害で上昇する。日常検査では急性心筋梗塞の診断に有用であり、診断と治療を急ぐ、小さな梗塞巣や不安定狭心症では経時的に測定を繰り返す必要がある。
甲状腺機能低下症でAST、LDHなどとともに上昇する。原因は酵素の代謝が遅延するためとされるが、一部は骨格筋由来とも考えられる。
高度上昇では、高頻度な疾患として急性心筋梗塞が疑われる。可能性のある疾患として、心筋炎、進行性筋ジストロフィー、悪性高熱症、末梢循環不全、多発性筋炎、皮膚筋炎、外傷や熱傷や動脈硬化による筋障害、筋型糖尿病。

可能性のある変動要因

上昇原因として、激しい運動、筋肉注射、注射液の漏洩、手術後、分娩後、てんかん大発作後、カウンターショック後、小児では採血時の大騒ぎ、筋電図後、こむらがえりなどがある。運動後は数日間高い、運動選手は高値が続く場合がある。てんかん大発作の場合、直後の採血ではまだ上昇していないこともあるので後刻測り直す配慮が必要である。
溶血でやや高値。
男性は女性より若干高値。
LDH、総コレステロールとともに甲状腺機能低下症で上昇する代表的な血清酵素、CK上昇の際は必ず甲状腺機能をチェックする。
薬剤の影響として、β-ブロッカーやクロフィブラートなどで上昇する例がある。


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