遊離トリヨードサイロニン

検査の目的

血漿中の遊離トリヨードサイロニンの測定を目的とする。
甲状腺ホルモンであるトリヨードサイロニン(T3)は、甲状腺から分泌されているホルモンで、糖、蛋白、脂質の代謝を促進することで新陳代謝、交感神経の活動、体の成長や発達を促進する働きがある。
トリヨードサイロニン(T3)は、血中で約99%が甲状腺ホルモン結合蛋白と結合している。甲状腺ホルモン結合蛋白と結合しているT3は、体内でホルモンとしての作用は発揮せず、甲状腺ホルモン結合蛋白と結合していない約0.3%のT3、すなわち遊離トリヨードサイロニンがホルモンとしての作用を発揮する。
同じ甲状腺ホルモンであるT4はすべてが甲状腺から分泌されるが、T3は、甲状腺から分泌されるのは20%程度で、残りの約80%は、末梢組織でT4からT3へ変換されて作られる。

検査に用いられる手順の原理及び測定法

血漿中のFT3を測定するもので、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)を測定原理とする。第1反応として検体、試薬1(Ru(bpy)3標識抗T3抗体)を加えインキュベーションする。第2反応として試薬2(ビオチン化T3)、MP液(SA磁性MP)を加えインキュベーションし、反応混合液を測定セルに吸引し、磁力によりSA磁性MP電極に引き付ける。次にプロセル(トリプロピルアミン)を吸引し、未反応のRu(bpy)3標識T3を除去する(B/F分離)。SA磁性MPに結合しているRu(bpy)3T3のRu(bpy)3は、電極への荷電による酸化と、トリプロピルアミンでの還元反応により励起発光を繰り返す。所定時間での発光強度を光電子増倍管で測定する。同様の操作をしたキャリブレータの発光強度から、検体中のFT3濃度を算出する。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

 2.3~4.0pg/mL

警戒値/緊急異常値、異常時報告値

 該当なし

臨床的解釈

蛋白と結合しないFT3はわずか0.3%にすぎない。しかし、0.3%のFT3のみが細胞内に移行し、核内の甲状腺ホルモンレセプターに結合することでホルモン作用を発現するため、FT3は甲状腺機能および末梢でのT4代謝のより鋭敏な指標となる。また、T3はTBG濃度の影響を受けるが、FT3はこれらの影響を受けない。血中のFT3濃度の測定は、生体の甲状腺機能状態を知る指標として、また末梢組織におけるT4の代謝状態を知る指標としても重要である。

可能性のある変動要因

該当なし


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●遊離トリヨードサイロニン



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