遊離サイロキシン(FT4)
検査の目的
血漿中の遊離サイロキシンの測定を目的とする。
甲状腺ホルモンは血中では、99%が蛋白と結合した形で存在している。これらの蛋白と結合しない遊離型のサイロキシンをFT4といい、FT4は標的細胞に入りT3に変換した後、甲状腺ホルモン作用を発揮する。したがって、血中FT4濃度は甲状腺機能の指標として用いられている。
検査に用いられる手順の原理及び測定法
血漿中のFT4を測定するもので、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)を測定原理とする。第1反応として検体及び試液1(Ru(bpy)3 標識抗T4抗体)を加えインキュベーションし、第2反応として試液2(ビオチン化T4)及びMP液(SA 磁性MP)を加えインキュベーションする。反応混合液を測定セルに吸引し、磁力によりSA 磁性MP を電極に引き付け、プロセル(トリプロピルアミン)を吸引し、未反応のRu(bpy)3 標識抗T4抗体を除去する(B/F 分離)。SA 磁性MP に結合しているRu(bpy)3 標識抗T4抗体のRu(bpy)3 は、電極への荷電による酸化と、トリプロピルアミンでの還元反応により励起発光を繰り返し、所定時間での発光強度を光電子増倍管で測定する。同様の操作をしたキャリブレータの発光強度から、検体中のFT4濃度を算出する。
生物学的基準範囲又は臨床判断値
0.9~1.8ng/dL
警戒値/緊急異常値、異常時報告値
該当なし
臨床的解釈
8.0ng/dL以上:バセドウ病による甲状腺機能亢進症、無痛性甲状腺炎および亜急性甲状腺炎の極期
1.8~8.0ng/dL:軽症のバセドウ病、無痛性甲状腺炎および亜急性甲状腺炎
0.4~0.9ng/dL:慢性甲状腺炎に伴う甲状腺機能低下症、低たんぱく血症
0.4ng/dL未満:慢性甲状腺炎に伴う著しい甲状腺機能低下症、特に粘液水腫、下垂体性(中枢性)甲状腺機能低下症
可能性のある変動要因
妊娠で多少の増減あり。
ステロイドホルモン内服時に低値を示す場合がある。
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